No.82

2015-06-10

株式会社明石屋

代表者
明石 文子
創業
1911年
業種
京呉服小売
住所
神戸市兵庫区荒田町2-18-20 湊川プラザ内
電話
078-511-4711
ホームページ
http://www.gohuku-akashiya.com/
大きい地図で見る

創業100年を超える老舗呉服店が築き上げた“安心”と“信頼”

企業永続の秘訣は“感謝の気持ち”
 「神戸の台所」と呼ばれ、約500店舗が立ち並ぶ湊川の一角に店を構える創業1911年の呉服店。100年余り兵庫の地で信頼と実績を積み重ねてきた。起源は廻船問屋として営業していた天保元年以前にさかのぼる。

 創業者である義父・真さんが興した呉服店に嫁ぎ、現在3代目となる取締役社長の明石文子さん。20歳の頃から店頭に立ち続けて60年になる看板社長は、今も現役。ほぼ年中無休で接客にあたる。

 長寿企業の秘訣は「お客様や取引先の信頼と期待を裏切らないよう誠意を尽くしてきた」こと。「お陰様で、近場から遠方まで多くの方にご贔屓いただいている」と、常に感謝の気持ちを忘れない。

大手百貨店販売員も認める確かな品揃えと品質
 振袖をはじめ、留袖、訪問着、小物まで品揃えの豊富さに加え、長年積み上げてきた京都の呉服問屋との信頼関係に裏付けられた確かな品質が当社の強み。「探し物が見つからない時は、湊川の明石屋さんに相談してみれば」と大手百貨店販売員から勧められて来店する顧客も多い。

 一見順風満帆に見えるが、神戸大空襲と阪神・淡路大震災の2度の災害では経営の危機に直面した。「震災の年に開催した展示会では、過去最多の来場者数があり、多くのお客様から励ましや支援をいただいた」と明石さん。幾多の困難を乗り越えた経験から、顧客との絆づくりの大切さを説く。

和装をまとう楽しさを伝える役割
 少子化や若年層の着物離れなど、斜陽産業と言われる呉服業界。「だからこそ、老舗企業として培ってきたお客様との結びつきが重要」と経営を支える長男の慎司さん。顧客と顔の見える関係を続けていくために、遠方でも労を惜しまず出張訪問する。

 「着物を着る楽しさをより多くの人に知ってもらいたい」との思いから、反物の販売や母から娘への仕立て直し、しみ抜きや着付けまで、着物に関するあらゆる相談に応じる。100年という歴史に裏付けられた安心と信頼を誇る「明石屋」ののれんが色あせることはない。

(経営指導員 小林和弘)