No.42

2013-06-19

佐藤紙店

代表者
佐藤 実
創業
1947年
業種
冠婚葬祭関連商品小売
住所
神戸市兵庫区東山町1-2-6
電話
078-531-1100
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小が大に勝つ商い

◆引継ぎ時に、業態を大転換
 佐藤氏が、父が創業した日用雑貨店を継ぐ決心をしたのは昭和43年頃。当時はスーパーが全国的に広がり、勢いを見せていた時代。資本力の弱い小売店は次々と撤退、閉店を余儀なくされた。佐藤氏は「同じ商売をやっていては必ず負けてしまう」との判断から、量販店では取り扱いが難しい、結納・線香を中心とした冠婚葬祭関連の専門店へと舵を切った。「休日や夜間は、他の結納店を訪問したり、筆耕の練習に励みました。当時は誰に相談しても『冠婚葬祭なんかやめておけ』といわれましたよ」と当時を振返る。

◆戦わずして勝つ
 しかし佐藤氏は確信していた。結納関係は春と秋、線香は夏が取扱いのピークとなる。品揃えをしっかりすれば、年間を通じて商売ができる。佐藤氏は専門分野を徹底的に深め、大手スーパーにはできない戦略を着実に展開してきた。見込みは的中し、地域一番店としての地位を築きあげた。

 現在、線香は常時200種類以上もの取扱いをしており、あらゆるニーズに応えることができる。ここまで徹底すると、スーパーでは対応できない。「個性を持った個店をしっかりと築けば、時代が変化しても存在価値を示すことができます」佐藤氏は力説する。

◆引継がれる個店の信念
 佐藤氏は「お店はお客様のためにある」と言い切る。閉店時間は厳守しており、荒天の際も、顧客のために、必ず待機しているそうだ。 また佐藤氏は「一度決めたサービスは続ける」という。毎月1日の線香・ローソクの特売日は、25年間続けている。また、毎年正月には、15万部もの折込チラシを配布しているが、これも35年間続けている。特筆するのは、金封への筆耕だ。店主である佐藤氏自身が、どんなに忙しくても無料で続けている。佐藤紙店の代名詞ともいえるサービスだ。

 現在は、子息の和典氏が冠婚葬祭相談を担当。冠婚葬祭に不慣れな若い世代に親身になって対応している。父からの信念を受け継ぎ、新たなサービスを取り入れ、成長を維持させていく姿は、個店の理想の姿といえる。

(経営指導員 若宮豊)