No.44

2013-06-19

はたファッションショップ

代表者
秦 英文
創業
1954年
業種
生活衣料雑貨、学生服等小売
住所
神戸市西区押部谷町西盛189番地の1
電話
078-994-0154
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地域の住民と歩む店

<顧客が求める品揃えに>
 神戸電鉄押部谷駅近くにある同店は、先代の均(ひとし)氏が創業。実家の食料品店で商売を学んだ後、隣接地に店舗を構え、靴下や肌着・タオル等を扱う生活用品店を始めたという。1970年代になると、押部谷では住宅開発が進み、人口が急増。住民からの要望を受け、店の業態を普段着やジャージ等も扱う衣料品店に大きく転換した。また、近隣の幼稚園や小中学校の制服、体操服の指定店となったため、すぐに対応できるよう、店内は様々な衣服で埋め尽くされた。後に2代目となる長男の英文(ひでふみ)氏は、学校を卒業すると直ぐに家業を手伝い始めた。「大阪の問屋街を駆けずり回り、父親から取引先との値段交渉や地域から寄せられる幅広いニーズに応える仕入の目利きを叩き込まれた」と振り返る。

<地域の空白を埋める>
 2004年、先代が亡くなり、事業を引き継ぐ頃には、かつてのベッドタウンも人口構成が大きく変わり、少子高齢化が急速に進んだ。英文氏は、「車での来店を前提とする大型店に辿り着けない高齢者が増えました。空白地帯となった買物需要を埋めるのが、我々の使命です」と力を込める。妻の育子氏は、「背中の曲がったご婦人から少しでも綺麗に見えるブラウスが欲しいと言われ、高齢者対応のカッティングが施された“Cライン”という服を提案すると、身体にフィットして着心地が良いと喜んでくれました」と微笑む。

<店がコミュニティを担う>
 同店には、一人暮らしの高齢者が楽しく交流できるサロンスペースがあり、賑やかな会話と朗らかな雰囲気に満ちている。「モノの売り買いだけでなく、高齢者の心が触れ合うコミュニティの場として、この店の存在が地域の活性化に繋がれば嬉しいです」英文氏は前を見据える。同店は半世紀以上、地元住民とともに歩んできた。子育てが終わり、これから第2の人生を送る世代に対して、同店が担う役割はまだまだある。地域に徹底して寄り添い、その課題解決にも意欲的に乗り出す店主の心意気に、個店が果たす真の役割を考えさせられた。

(経営指導員 髙森良明)