No.100

2016-03-22

株式会社ナカムラ

代表者
中村 和弘
創業
1910年
業種
広告宣伝サービス品・広告マッチ等製造販売
住所
神戸市長田区浜添通6-1-2
電話
078-671-2561
ホームページ
http://www.nakamura-kobe.co.jp
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日本のマッチ文化の伝承と業界革新に挑む

◆神戸とマッチ
 日本で初めてマッチが製造されたのは1875年。明治・大正期に日本を代表する輸出品として成長を遂げ、とりわけ神戸港がある兵庫県にマッチの生産が集中した。ライターの普及で消費減少が著しいものの、現在も地場産業として国内生産の9割を占める。
 こうした逆境に負けず、これまでなかったマッチを次々と企画し、業界に新風を巻き起こしている町工場が長田区にある。創業100年を超えるマッチ製造会社、㈱ナカムラである。

◆企画力でマッチ業界の革新に挑む
 同社の歴史は、創業者である中村真次郎さんが1910年に興した「中村商店」に始まる。マッチの国内生産量は73年をピークに減少に転じ、厳しい経営環境が続いた93年、現代表取締役社長の中村和弘さんは勤めていたアパレルメーカーを退職し同社に入社した。「業界の将来性に期待が持てず大変悩んだ」と当時の心境を振り返る。
 中村さんは試行錯誤の末、マッチに興味がある人にターゲットを絞り、「『広告宣伝』としての企画力と『神戸らしさ』」を届ける販売手法に活路を拓く。マッチ箱の表裏で2コマ漫画が楽しめる「2こまッチ」は、地元イラストレーターとの共同開発で、神戸市産業振興財団の「神戸セレクション」認定を機に、インターネット通販や百貨店催事への出品など積極的に展開している。
 その後も、災害時用に長期保管できる「防災用スチール缶マッチ」や、通常の倍の長さでろうそくに着火しやすい洋菓子店向け「バースデーマッチ」など、豊富なアイデアを武器に商品開発の手を緩めない。

◆神戸唯一のマッチ会社の誇り
 マッチ産業の盛衰は決して平坦な道のりではなかった。「百貨店に出展すると、地域ならではのニーズの発見や、様々な業者との商談も生まれた」と語る中村さん。「お客様から生の声を聞くことで新たなアイデアが浮かぶ。“使うシーンを演出するマッチ”をテーマに、高付加価値で勝負したい」と力を込める。
 神戸で唯一のマッチ製造会社として、「神戸からマッチ産業の火を灯し続けたい」と孤軍奮闘する中村さん。“伝統は革新の連続”という想いを胸に挑戦は続く。

(経営指導員 小林和弘)