No.48

2013-06-19

酒肴 金太郎

代表者
福島 順子
創業
1990年
業種
飲食店(割烹料理)
住所
神戸市垂水区西舞子4-1-25
電話
078-781-0086
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旬の食材を愉しみ、名物女将との対話で和む

<明石の昼網と旬の野菜を活かした手づくり料理>
山陽電鉄西舞子駅から北に数分歩くと、「酒肴金太郎」の看板がほのかな灯りを放っている。のれんをくぐって店内に入ると、煮物、揚げ物、炊き物と十数種類の料理がカウンターに所狭しと並べられている。美しい着物姿で迎えてくれる女将の福島順子氏が全てを一人で調理しており、熟練された手際良さが光る。
料理の価値は素材で決まると考えており、「毎日、新鮮な食材を求め、明石浦漁港から地元の農協まで仕入れに駆け回り、魚は昼網の天然物、野菜は旬の露地物(ルビ:ろじもの)(露天の畑で栽培されたもの)を中心に仕入れています」という徹底ぶり。素材重視の考えから、昔ながらの控えめな味つけで食材本来の旨味を見事に引き出している。

<金太郎ママと慕われ続けて20年>
1990年開業以来、福島氏は持ち前の人懐っこさと明るい笑顔で、常連客から“金太郎ママ”と慕われている。「これまでに色々な苦難に直面しましたが、その都度、お客さんに支えられて乗り越えてきました」と振り返る。
阪神・淡路大震災では、お酒のボトルケースがことごとく崩れ落ち、割れた酒瓶と食器が店内に散乱、ガスも水も出ない状況に陥った。しかし数日後、早期再開を望む常連客によって、ガスボンベや水の入ったポリ容器が届けられた。「一瞬で全てを失い途方に暮れるなか、自分を求めてくれる温かい心に触れて、再び立ち上がることができた」と感謝の気持ちを忘れない。

<居心地の良い空間で心和む会話を楽しむ>
カウンターだけの小さなお店だが、常連客は女将と交わす会話を楽しみに訪れる。日々の仕事で鬱積した気持ちが和らぐ、また若い世代のお客さんが“大人の作法”を学ぶ場にもなっている。「細やかな気遣いや言葉遣いを学びながら、洗練された男性に成長していく姿を見るのは実に微笑ましい」と目を細める。「お客さんと一緒に泣き笑いしながら、これからも居心地の良いお店づくりを心掛けていきます」と明るい女将は優しい笑顔を見せた。

(経営指導員 髙森良明)