No.52

2013-11-28

有限会社髙原金型工作所

代表者
髙原 正成
創業
1965年
業種
タイヤ金型製造
住所
神戸市西区神出町南409
電話
078-965-0175
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機械化と職人技の融合で独自の価値を生み出す

靴底金型からタイヤ金型への転換
 神戸の靴産業が隆盛を誇っていた1965年、創業者である髙原正幸氏は須磨区に小さな工場を構え、靴底金型の製造を始めた。同社の丁寧な仕事ぶりは評判となり、地元メーカーからの注文が順調に増え事業を拡大していった。
 ところが、その後、靴の生産拠点が中国や韓国に流出。同社は苦境を打開するため、全く異分野であるタイヤ金型の製作に取り組み始め、技術力に秀でていた森秀幸氏(後の2代目社長)を大手タイヤメーカーに派遣した。「森氏はタイヤ金型の技術を5年で習得して戻ると、熱心な指導で職人を育て上げた。当社の技術水準は飛躍的に向上し、現在のものづくりの基盤となっている」と正幸氏は当時を振り返る。

機械化と人材育成で生産改革を実現
 2005年、西区神出町に新工場を建て移転。創業者の長男である髙原正成氏(現社長)が生産改革を担い、大型NC旋盤や5軸NC立型マシニングセンター等の工作機械を次々に導入した。正成氏は、「工程の集約化による納期短縮に加え、新製品の難加工にも対応できる体制が整った」と胸を張る。
 ハード面での整備を進める一方、人材育成にも力を注いできた。始業前の“朝の時間”で、作業手順の見直しや工具整理等の改善活動に取り組むとともに、職人の担当分野を専門化させるため、旋盤や穴開け等の単一加工作業をひたすら繰り返す量稽古を重ね、技術の研鑽に励んでいる。正成氏は「機械化だけでは不十分。従業員の技術力や自発的な改善意欲が伴ってこそ、生産性や製品価値の向上に繋がる」と言葉に力を込める。

自動化と手作業の融合でQCDの最適化を追求
 製造業では、グローバル化の進展で熾烈な受注競争が繰り広げられている。三代目社長となった正成氏は、「機器を駆使して自動化を進める部分、熟練した手作業で製品価値を高める部分を見極め、顧客が求める品質、コスト、納期の最適化を追求していく」と先を見据える。積極的な設備投資で合理化を進めながらも、職人の技能を地道に育成し守り続ける姿勢が、同社の揺るがぬ競争力を支えている。

(経営指導員 髙森良明)