No.96

2016-03-11

株式会社田中鈑金工作所

代表者
田中秀幸
創業
1928年
業種
集塵換気ダクト工事設計施工、製粉機材据付
住所
神戸市長田区菅原通2-4-1
電話
078-575-5500
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下町で活躍する錻力加工職人の技術力

錻力(ブリキ)店としてスタート
 神戸市長田区、JR兵庫駅近くの高架沿いに事務所を構える㈱田中鈑金工作所。同社は1928年に現代表取締役 田中秀幸さんの祖父・市藏さんが「田中錻力店」を創業したことに始まる。当初からブリキ加工を得意とし、神戸の地場産業である「マッチ」を海外輸出する際に使用する「ブリキ箱」の製造なども手掛けていた。
 その後、製粉工場内に設置する「麦粉空気輸送用ダクト」の設計・施工、メンテナンスを主体とした業態へと展開し、大手製粉会社などのダクト設備を多数施工してきた。

顧客を裏切らない熟練技術
 82年、父・幸男さんの急逝により勤めていた会社を辞して家業を継いだ田中さん。24時間稼働する製粉工場のダクト設備の施工は、工場が休業する年末年始や盆休みに集中することが多い。限られた納期の中で、「強度」と「気密性」を兼ね備えた質の高い工事を着実に積み重ね、取引先からの信頼を獲得してきた。
 しかし、阪神・淡路大震災では本社を火災により焼失し、経営環境は一変する。自社も被災したにもかかわらず、長年の取引先である製粉会社からの依頼の声に応え、震災復興のために昼夜問わず走り回った。受注が落ち着き、本社跡地に自社ビルを再建できたのは、震災から2年後だった。

多品種少量生産、短納期へのこだわり
 「これまで受けたことのない加工依頼や、1個2個の少量ロットの仕事であっても基本的には断らない」と、顧客の要望に最大限応える努力を惜しまない。
 近年、製粉工場の閉鎖が相次ぎ、工場の新設も減少傾向が続く。主力ダクトの新規需要が期待できない中、長年培ってきた高い技術力を生かして特殊加工や薄板による展開工作品などの手加工にも力を注ぐ。
 多品種少量生産、短納期の要望に応えられる、小回りのきく職人集団を目指す同社は、精密鈑金加工のプロとして、歴史を刻み続ける。

(経営指導員 小林和弘)