No.55

2013-12-03

株式会社正栄技研

代表者
河原 守
創業
1981年
業種
機械設計設置工
住所
神戸市長田区腕塚町7-6-12
電話
078-691-8911
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誰もが快適に暮らせる環境づくり

<母の介護から生まれた福祉機器“チョータくん”>

 環境機器メーカーで機械設計を学んだ代表取締役の河原守さんは1981年に独立し、大手重工業メーカーを中心とする産業機械やプラント向けの設計業務を行っていた。一方で、足の不自由な母の介護を20年以上続けてきた河原さんは、徐々に思うように動けなくなった母が自力で移動する手段として、住宅用昇降リフトの開発を始める。完成前に母は亡くなってしまうが、2005年に昇降リフト“チョータくん”を完成させた。建設業の認可を受けて自社での設置工事が可能になると、障害のある方の家庭に次々と導入され、生活環境の改善に貢献してきた。

<行政や地域と繋がり、積極的なUD活動を展開>

 その後、機械設計で培ったノウハウを活かし、ユニバーサルデザイン(UD)に基づく福祉機器を次々に開発。“チョータくん”に続き、引き戸を自動開閉する“チョータさん”、世界的な工業デザイナーの喜多俊之氏が監修した“ワンツーリフト”などを生み出した。2008年、UD商品の開発や地域での啓発活動が評価され、「神戸ソーシャルベンチャーアワード」、「ひょうごユニバーサル社会づくり賞」を受賞。 

  「社内の発想力だけでは限界がある。行政や商工会議所など社外ネットワークと活発に交流することで、開発のアイデアや人との繋がりが得られた」と語る。

<個客対応を徹底して貫く>

 同社は顧客に合わせたオーダーメイド対応を徹底している。「障害の重さや住まいの構造はそれぞれ異なる。確かに手間ひまがかかるが、生活環境に応じた個別設計で使い勝手は格段に良くなる」と力を込める。機器の設置後も顧客との関係は続く。「安全確保に定期的な訪問は欠かせない。ネジの緩みから電気系統まで丹念に点検と手入れを施し、最適な状態を維持するように心掛けている」と表情を引き締める。今後も高齢化社会の進展とともに、同社の果たすべき役割は広がっていく。顧客に寄り添い、“誰もが快適な生活環境を享受すべき”という信念を貫く姿勢に強い感銘を受けた。

(経営指導員 納田秀史)