No.53

2013-12-01

有限会社溝口工業所 

代表者
溝口 勝
創業
1950年
業種
水道衛生給排水設備工事
住所
神戸市灘区泉通6-1-15
電話
078-801-2353
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仕事を「間に合わせる」妥協なき職人集団

親の背中を見て育つ
 「どんな困難な仕事でも、納期に必ず間に合わせる」という強い信念を持ち、親子3代に亘って管工事業を営む灘区の㈲溝口工業所。
 同社は戦後、現社長溝口勝氏の父健治氏が、中央区春日野道で個人店を興したことに始まる。健治氏は岡山から神戸に出て、北野付近の管工事店で修業を積んだ苦労人。商売を軌道に乗せるため、徹夜で仕事に打ち込むことも珍しくなかった。勝氏はそんな父の背中を見ながら中学時代から仕事を手伝い始め、高校夜間部に通いながら、父の片腕となって家業を支えた。家業に没頭する父を支える姿勢は、勝氏の長男、隆敏氏にも受け継がれた。今や隆敏氏は専務として、現場を取り仕切る大黒柱として活躍している。

昼夜を問わず奔走した阪神大震災
 水漏れやポンプの故障など、水回りのトラブルは待ったなし。「水道管の破損で、天井から大量の水漏れが発生し、部屋の中で傘をさして到着を待ち望むお客様もいました」と隆敏氏。
 とりわけ、多忙を極めたのが、阪神・淡路大震災の復旧時期だ。自身の散乱した家財道具を整理する暇もなく、連日、早朝から深夜まで対応に追われた。
「依頼の電話が鳴り止まず、受話器を置くことすら出来なかった」と隆敏氏は当時を振り返る。復旧が落ち着くまでの3年間に駆け付けた訪問先は、数千件に及んだ。

『間に合わせる』ということ
 これまで培ってきた長年の信用により、同社の仕事が途切れたことは一度もない。しかし、公共の水道工事は縮小し、新築やリフォームに伴う工事も頭打ち状態が続く。「同業者の数も年々減少している。業界の将来展望は決して楽観は出来ない」と隆敏氏は表情を引き締める。
 そうした状況にあっても、同社の取るべき方針は明確だ。「お客様第一。信用第一。迅速対応。一言で言えば『間に合わせる』ということ」と勝氏、隆敏氏は口を揃える。現在、4代目にあたる隆敏氏の長男も家業に加わる。
父親の背中を見ながら家業を支え「間に合わせる」ために、誠心誠意仕事に打ち込む姿勢は、水道管の継ぎ手のように、次代にもしっかりと繋がっていくだろう。

(経営指導員 小林和弘)