No.73

2015-01-14

御影電気産業株式会社

代表者
森岡數己
創業
1936年
業種
電気工事請負・設計・施工
住所
神戸市東灘区御影中町1-9-15
電話
078-811-4011
大きい地図で見る

血縁を超えて受け継がれてきた思い

◆灘の酒蔵の電気設備会社として誕生
 前身である御影電気工業所は1936年に創業、灘の酒造会社の電気設備工事を中心に順調に業績を伸ばした。しかし、阪神・淡路大震災による酒蔵の廃業や日本酒の生産量低下もあって同社の業績も悪化。後継者がいなかった先代社長の茂木薫雄さんは会社を畳むべきか悩んでいた。
 茂木さんと長年親交のあった現社長・森岡數己さん。茂木さんに全国各地で急速に進む携帯電話基地局の設営工事の可能性について熱く語ったところ、新しい事業で経営を立て直して欲しいと会社を譲渡され再生を託された。

◆新分野への挑戦でV字回復
 2003年に外部から新しい人材を迎え入れ、新分野参入に乗り出した同社。しかし、すぐに経営が軌道にのったわけではなかった。森岡さんの方針についていけないと古参の社員が会社を辞めたり、同じ電気工事とはいえ新しい分野では従来の酒蔵を中心とした現場で培った技術やノウハウが通用せず、脱落する社員もいた。しかし、「踏ん張れば明るい未来がある」と森岡さんが鼓舞し続けた。やがて社員は一つにまとまり、業績はV字回復していった。

◆次世代に託す思い
 創業から約80年、会社は三代目となる森岡さんまでは血縁関係のない経営者に引き継がれてきた。「血縁関係になくても、創業当時からの“地域を大切にし、地域に根付いた商売を”という理念は受け継いできた」と森岡さんは強調する。こうした思いは常々、後継者である息子の孝之常務に伝えている。

 今後、同社では初めてとなる血縁者への経営のバトンタッチが予定されているが、「会社は社会の公器、息子だから譲るのではない。経営者として自分の思いを一番理解し、託すことが出来る人材だから」と森岡さんは語る。
 現在、携帯基地局工事に代わる次世代事業として無線関連分野への参入準備を順調に進めている。創業当初からの理念が揺がない限り、この新たな挑戦の展望も明るいものになるだろう。

(経営指導員 藤原康展)